こんにちは、ヒガシゲトです!
本コラムでは、ロジャー・ハートの「子どもの参画」理論と保育現場の活動を比較し、子どもたちが活動の主体として参画する重要性を解説します。
保育活動の課題
現代の保育活動において、子どもたちが自ら活動を企画・運営する体験が注目視されています。
子どもたちは大人のサポートを受けながら保育活動を行い、「子どもの参画」と呼ばれる活動経験が増えています。これは卒園後においても重要であり、子どもたちがさまざまな学習の場や方法を選び、自己成長する力を養う必要があります。
ロジャー・ハート「子どもの参画」とは!
ロジャー・ハートは、ニューヨーク州立大学教授で環境心理学と発達心理学を専門としています。
子どもの環境と発達の関係に焦点を当てた研究を行い、「子どもの参画」理論を提唱しています。ロジャー・ハートは独自の「参画のはしご」を示し、子どもたちの活動の自主性や協力度を示すものとして用いています。
子どもたちが保育環境を認識し、自発的な関わりを持つことの重要性を表しています。
子どもの参画を通じてコミュニティーの改善に役立てることを強調しています。
参画の実践が学びの場となり、社会を構築する場でもあると述べ、特に政治的に困難な状況下でも子どもたちがプログラムに参加し、自己の権利を理解し、未来を共に築いていく事例を紹介しています。
保育環境の視点では、環境に対する関心が自然体験から生まれるとし、子どもたちが自ら問題を発見し、解決方法を見つけることを重視しています。身近な環境との触れ合いを通じて、子どもたちが保育環境について、考える力を育てる必要性を提唱しています。
「参画のはしご」は、子どもたちがどの程度主体的に関わるかを示すものであり、上段にいくほど自主性が増すことを示しています。ただし、上段が常に良い活動を示すものではなく、子どもたちが自分たちに合った段階で活動することが重要であると強調しています。この「はしご」は、大人の中立な意見(子どもへの先入観がない状況)が子どもたちの能力や欲求に応じて活動を支援する際の目安です。また、「参画のはしご」は「非参画」の活動も含み、大人が計画し子どもたちが選択できるようさまざまな活動を提供することが必要とされています。
遊びの場での事例
冒険遊び場の会(プレイステーション)における活動
国分寺市のプレイステーションが提供している、冒険遊び場の会。無料の遊び場です!
プレイステーションでは、戸外も建物もどちらも自由に利用することができます。
子どもたちにたっぷりと豊かな遊びをテーマに、親子ひろばも併設しています。
子育て支援、プレイリーダーがいるから安心して遊ぶことができます。お父さん、お母さんがお子さまと一緒に遊んだり、子育ての相談も出来る場所となっています。
冒険遊び場(プレイパーク)における活動 【国分寺市プレイステーション】
遊びの場での実践内容として、子どもたちが自分たちの遊びを主導し、創造的な活動を通じて学びを深める機会を提供します。例えば、テーマを決めたり、遊びのルールを共に考えたりする活動を通して、子どもが自らの考え、協力して活動する力を養います。また、子どもたちの興味を引き出し、質問を促したり、問題解決のサポートをしたりすることで、主体的な学びを促します。
この保育活動は、子どもたちが自分の遊びを通じて自己肯定感や自信を育む一方で、他者との協力やコミュニケーション能力も発展させることができます。子どもたちは自分の意見を尊重される経験を通じて、自己価値感を高め、自分の考えや感情を表現する力を育むことができるのです。
ロジャー・ハートの実践例と保育現場での実践比較
ロジャー・ハートの「子どもの参画」は「環境教育」を通じて「社会・組織の変革」を目指しています。その一方で、保育現場での実践は、「子どもの居場所づくり」や「主体性育成」などが主要な目的で、子ども個人に焦点を当てている。保育現場での実践は子どもたちの興味や関心を尊重し、個別の成長を促すことが重要といえるでしょう。
保育現場で活用時の注意点
保育の実践においては、子どもの個々の居心地や成長を重視する一方で、活動内容や保育環境の場を提供することに対しては、多様性を尊重する必要があります。一人ひとりの興味や発達段階に合わせて柔軟な対応を取ることが大切であり、参画の場や機会の提供による階層化に気を配ることが重要です。
ロジャー・ハートの「参画のはしご」と保育の実践は「子どもの参画」が共通点ということができるが、その背景や目的、内容において異なる対応が求められます。
今後の保育活動においては、子どものさまざまなニーズを考慮しながら、参画の意義や効果を最大限に引き出すための工夫が必要となってきます。
「子どもの参画」の課題
子どもと大人が共に参画するさまざまな場や機会は卒園後において重要といえます。しかし、全ての経験を個々が得ることは難しく、そのためには自分で考え、楽しく学ぶ力が重要です。ただし、参画の場が増えるだけでは不十分で、子どもが自ら環境を選択し考え、楽しむ能力が求められます。
計画的に作られた場が効果的ではあるが、中立な存在の大人や子どもたちの意識が重要であり、参画の理念を実践するためには注意が必要です。
子どもたちが自主的に参画する場合、その場が自分に合っているか見極めることが重要となります。子どもたちが参画の内容を理解し、主体的に行動することが大切であり、子どもたちが自身の日常で参画の力を持つことが求められます。参画の内容を理解しつつ、自発的な参画ができるように今後の課題を見つめ直す機会が必要となります。
保育現場での活用方法
保育現場においてロジャー・ハートの「子どもの参画」の考え方を導入することは、子どもたちの発達や学びにいい影響を与える可能性を秘めています。以下内容は、保育現場におけるロジャー・ハートの「子どもの参画」の要点と子どもへの影響について考えました。
子どもの主体性の尊重する
ロジャー・ハートの「子どもの参画」は、子どもたちの主体性や興味関心を尊重し、学びや遊びの活動を提供することが強調されています。
保育現場では、子どもたちが自分の意見や発想を尊重されながら、自由に選択し考え、自分のアイディアを表現できる環境が育まれるでしょう。
参画の機会を提供する
子どもたちが自分自身を表現する機会を提供することが重要です。
保育現場では、子どもたちが遊びや学習を積極的に参画できるような環境づくりが求められます。子どもたちが自分で活動内容を選び、進行させることで、自己決定力や自己評価のスキルが育まれるでしょう。
保育環境の見直しを行う
子どもたちが自分の興味に基づいて学ぶことをが持続的で意義深いものとなることが重要とされています。
保育現場では、子どもたちが興味を追求し、好奇心を刺激される環境を提供することで、遊びに対するいい印象が養われます。保育者は、保育環境の見直しを行うことで持続的に子どもたちが遊べる環境を作ることが必要になります。
中立な保育者の役割
中立な意見を持つ保育者の役割は子どもたちの考える力を発揮させる役割を果たします。
保育者は、子どもたちが活動する際にサポートし、質問を促し、子どもたちが自分で考え、意志決定できるように導いていく役割があります。
コミュニケーションと協力
子どもの参画を実践する際には、子どもたち同士や保育者とのコミュニケーションや協力が重要です。
保育現場では、チームワークやコミュニケーションのスキルが発展し、共同での活動や問題解決が促進されるでしょう。
まとめ
保育現場でロジャー・ハートの「子どもの参画」を取り入れることは、子どもたちの主体性を尊重し、自己肯定感や自己決定力を育むための一つの方法として効果的です。ただし、保育者の適切なサポートや指導が不可欠であり、バランスを保ちながら実践することが重要です。
コラムの感想を投稿する